山本雄基・浦川大志展 Flatten Image

夫と娘と一緒に、最終日に行ってきました。

(変な感想だけど)はじめて実物をみた浦川さんの絵、カオスラウンジ出身ということでか、ネットでは梅ラボさんと色々と比較されるところもセットで拝見していたけれど、実際にはそんなに梅ラボさんっぽさを感じないな・・・というのが第一印象。

それでも梅ラボさんの作品と比べると、画像をキャプチャする収集者というよりは、ネット上の画像を模倣して組み合わせて描くネット絵師の作品であることが明確に感じられる。
それを身体的な実感に落とし込むために、スマホを大きくして絵の具で描いてる感じがした。
インターネット空間を描くというよりは、インターネット空間に触れている身体を描こうという意識が、(当然それは梅ラボさんの作品にもあるものだと思うけれど)梅ラボさん以上にあるように感じる。
(私は18の時にベニヤ板にアクリル絵の具で絵を描き始めるまでは、基本的にお絵かき掲示板のコミュニティーに浸かって絵を描いていたし、今の自分が会社員の業務としてやっているCGイラストレーター寄りの仕事との関係もあって、共感度が高いんだと思う。)

画面の縦横比が大体縦長でスマホっぽい比率だったので、会場にいた山本さんに尋ねてみたら、やっぱりそれは意識されていた。
スマホをいじるときに使う親指の第一関節を絵を描くときに使う上腕部に置き換えたときに、スマホに相当するくらいの大きさに画面を設定しているということだった。
ああ、なるほど・・・と、個人的にはそれで一番腑に落ちた気がする。
浦川さんの体は絵を描くとき、右手(左利きかもしれないけど)になっているんだなあ。
小さい作品はまとまっていて可愛いし、コレクション欲を刺激するものだと思うけど「大きい画面にすごく素早く描く」と、門馬さんも山本さんも感心していたところに、持ち味の一番濃い部分が出ているんじゃないかなあ・・・

普段、私は会社でペンタブレットとPhotoshopで絵を描いている。
その時の意識は、画面の中で拡大、縮小の間を行き来できる「目を持った絵筆としての身体」になりきっている。
でもふと画面から意識を話すと、手元はA4くらいの大きさのペンタブレットの上でちまちました動きをしていて、慣れとして意識に上ってこなかったギャップ感に引き戻されることがある。
似た経験はスマホのお絵かきアプリでもある。
むしろペンタブレットより描画面は小さくなっているからより強烈だ。
そういうギャップを埋めるようなところに、大きな模擬スマホ画面に絵を描く快感があるのかなあ。


余談だけどしばらく2DCGから離れていた自分にとって最近のPhotoshopの進化は驚きで、ブラシ(筆)に含ませたインクの流れ具合やインク切れまで設定できるようになっている。「減らない絵の具」というのは、2DCGの大きな特徴の一つではあるけれど、擬似的に「減る絵の具」という概念を持ち込むことで、筆致にリアリティーが出ることを興味深く感じる。


=========

すごい余談。
山本さんがその日自分が着ていたリアルなちくわのイラストTシャツをすごく推して語ってくれた。
実際いいTシャツだったので、私も今度から展覧会には変わったイケてるTシャツを着ていきたいと、強く思った。

そのTシャツを目にした後から浦川さんの多用するシワシワしたグラデーションのストロークがちくわみたいにみえてきて、あ、それでこの二人のグループ展なのか、という間違った解釈が発生した。
(参考:昔山本さんが、道展に出した他の絵と作風が違いすぎる「スーサイドちくわ」


=========

日時:8月17日~9月1日(日)午前11時~午後7時
場所:ギャラリー門馬








この記事へのコメント